治療法を決める

うつ病と診断されたら、通院か入院による治療を進めていきます。通院は比較的症状が軽い場合に、入院は症状が進行した場合がよいとされています。そして、うつ病の薬物療法では、内服により起こったことをしっかり医師に説明すべきです。認知行動療法では医師に自分のストレスの考え方を説明することが大切でしょう。
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うつ病は行動、意欲、感情の疾患です。診断では、医師は患者の訴えを傾聴する工夫が必要となっています。新型のうつ病や更年期障害に合併するうつ病など、近年この疾患に関心が高まっており、精神科医の増加など治療環境は改善されている。
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うつ病の診断には、時間をかけて問診をすることが大切です。治療は薬物療法が中心となりますが、場合によっては薬効より副作用が先に発現することがあるのです。うつ病の急性期には、家族が食事を手伝ったりといったことが重要です。回復期に入ると、社会復帰を焦る患者もいるので、焦らないでよいことを伝えることが必須です。
早期の適切な治療のために

初診時の留意点
うつ症状と思われる症状が発症した時に大切なことは、いち早く精神科や心療内科といった精神疾患の専門病院で診断を仰ぎ、適切な治療を開始することです。しかし、病院で的確な診断をしてもらうためには大切な留意点があります。それが、予めどのような症状を発症しているのかについて、具体性のある詳細な情報として整理しておくことと、病院を受診する際に同居している家族など、なるべく身近な人に同行してもらう事です。なぜこの2つの点が重要かと言えば、精神疾患の専門病院の診察の仕方が、患者からの話を聞くことが中心で、患者から得られた情報を基に病名の診断や治療方法の選択を行っていく形態だからです。従って、患者が具体的なうつの症状に関する情報や、その症状がいつ頃から現れたのか、そして要因と思われる強いストレスを受けるような出来事の有無などを説明することが大切です。具体的な説明を行うほど、医師にとっては判断材料が増え、病名や治療法に関する的確な診断を行いやすくなるのです。とはいえ、初めてうつ症状を自覚した人が、どのような症状がうつ症状への兆候だったのか、そして医師にとって有効な情報がどのようなものなのかといった知識を有していることはまずありません。そこで有効なのが、インターネット上で無料で利用できるうつに関する具体的な症状を確認するチェックシートを活用することなのです。これらのチェックシートは無料で利用できるものが多く存在し、いくつかの設問に対して選択肢で回答する形式が大半ですので、簡単な上に所要時間もそれほど長くなるものではありません。ですので、このようなツールを利用して自分なりに具体的な情報を整理していきましょう。また普段の患者の様子を目の当たりにしている家族にも同行してもらい、身近な人が感じている患者の様子についても医師に伝えることによって、医師により多くの判断材料を提供することができるのです。
自分で病名を判断しない
うつの症状を自覚した際に注意しなければならないことが、自分の判断で病名を決めつけてはいけないということです。うつ症状を発症する精神疾患には、一般的に認知度の高い病名であるうつ病の他にも双極性障害や適応障害などいくつもの病気があります。そして治療法もそれぞれの病名によって異なるケースがあるのです。そして多くの一般の人、特にこれまで精神疾患の罹患歴が無い人の中で、初期症状がうつ症状となって現れる精神疾患が多数存在するという知識を有している人はほとんどいません。それ故、患者が勝手に病名を判断するべきでないことは勿論、専門医院の診察を受ける際に病名を決めつけるようなスタンスで診察に臨むことも良くありません。前途の様なフローで的確な病名を診断しようとする医師に対して、誤った情報を伝えることになってしまいかねないため、避けるべきなのです。具体的な例として、同じうつの症状を発症したとしても、その症状の原因がうつ病の場合には抗うつ剤の服用が基本的な治療方法となります。しかし、うつの症状の原因が双極性障害だったという場合、双極性障害の患者に抗うつ剤を服用させると、双極性障害の症状が更に重くなる可能性があります。だからこそ似たようなうつの症状であっても、医師は的確な診断を下すためにより詳しく具体的な判断材料になり得る情報を得ようとするのです。精神疾患はとかくひとまとまりで語られがちですが、実際にはいくつもの具体的な病名に区分されていて、それぞれの病名ごとに治療方法や適した薬が異なる可能性が有ります。そのため、患者は勝手な判断をせずに、医師に十分な判断材料を与えることに専念するというスタンスこそが大切なのです。